【来年度実施】大学入学共通テストでの記述式問題導入見送り発表
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TW通信Vol.11: 来年度実施:大学入学共通テストでの記述式問題導入見送り発表

【来年度実施】大学入学共通テストでの記述式問題導入見送り発表

2019年12月24日

写メQ先生ユーザーの塾の皆様こんにちは。TripleWIn齋藤です。
今週から冬期講習がスタートする教室も多いのではないのでしょうか。受験シーズンもいよいよ本番を迎えますね。今週のメルマガは私が担当させていただきます。
(最後までお読みいただいて約5分)

12 月 17 日、文部科学大臣は2021 年 1 月実施の大学入学共通テストでは記述式問題の導入を見送ることを発表しました。

以下に概要をまとめてみました。

■採点の体制・精度、自己採点の観点から導入見送りへ

大学入学共通テスト(以下、共通テスト)における記述式問題の導入は、先ごろ見送られた大学入試英語成績提供システムの導入とともに、大学入学者選抜改革の柱の1つであった。
「思考力・判断力・表現力」を測ることを目的に「数学1」と「国語」で各3問ずつ導入される予定であった。
しかしながら2017・18 年に実施された2回の試行調査でも、受験者の自己採点と得点との大きな乖離など、様々な問題点が浮き彫りになっ ていた。
とくに大学入試英語成績提供システムの導入見送り決定後は、記述式問題についても延期論が上がっていたが、これまで文部科学省では「改善の努力を続けている」とし、記述式問題の導入を目指してきた。
しかし、17 日に記述式問題導入の見送りを発表した。
見送りの理由として、文部科学省は以下の3点を挙げています。

  • <1>採点体制:現時点では実際の採点体制を明示できない

    採点事業者側で必要な数の質の高い採点者の確保ができる見通しは立っているが、実際の採点者は来年秋以降に選抜、研修を経て確定するため、現時点では実際の採点体制を明示することができない

  • <2>採点の精度:採点ミスをゼロにすることまでは期待できない

    様々な工夫を行うことで試行調査の段階から更なる改善を図ることは可能だが、採点ミスをゼロにすることまでは期待できず、試験の円滑かつ適正な実施には限界がある

  • <3>自己採点:採点結果との不一致を格段に改善することまでは難しい

    様々な取り組みにより一定の改善を図ることはできるが、採点結果との不一致を格段に改善することまでは難しく、現状 では受験生が出願する大学を選択するにあたって支障となる課題解決にはなお不十分

これらのことから、受験生の不安を払拭し、安心して受験できる体制を早急に整えることは現時点において 困難であるため、導入見送りを判断したとしています。

■文部科学大臣の下の検討会議で記述式問題の在り方を検討

なお、大学入試英語成績提供システム導入見送りの際には、「大学入試における新たな英語試験については、 新学習指導要領が適用される 2024年度実施の2025年度入試から導入する」としたが、記述式問題の導入時期は示されていない。
ただし、今回の発表の中で、文部科学省は「論理的な思考力や表現力を育て伸ばすこと、それらを評価する観点から大学入試において記述式問題が果たす役割が大きいことに変わりはない」とし、各大学の個別選抜では記述式問題の活用に積極的に取り組んでもらうよう、大学に求めるとしている。加えて、共通テストや各大学の個別選抜における記述式問題の在り方など、大学入試における記述式の充実策については、文部科学大臣 の下に設置する検討会議の場で検討していくこととしている。

■共通テストの試験時間、成績提供時期なども今後変更の見込み

今回の発表を受け、共通テスト「数学1」「国語」の試験時間、大学への成績提供時期など、記述式導入に伴いセンター試験時から変更が予定されていた事項は振り出しに戻ることになります。今後、大学入試センターからの発表が待たれる。

さて、以上が概要になりますが以前も述べた様にだからと言って、「受験生たちに何を伝えればいいか」というと「何も変わらないのでしっかりと計画通りに学習を進めよう」ではないでしょうか。

確かに、出題形式などで戸惑うことはあるかもしれませんが、すでにどう変わるかは発表されているわけですし、全員同じ問題に向かうのです。

年も明けたら、いよいよ入試本番です。今年の受験生は最後のセンター試験に向けてしっかりと頑張って欲しいですね。